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    Azureのメール・SMS送信機能が2028年に終了へ 発注者は何を確認する?クラウドのサービス終了への備え方

    Microsoftは2026年9月24日、Azure(マイクロソフトのクラウド)でメールやSMSをシステムから送るためのサービス「Azure Communication Services(ACS)」の多くの機能を、2028年9月30日で終了すると発表しました。自社のWebシステムや業務システムが会員登録の確認メールや通知メールをAzure経由で送っている場合、2年以内に送信の仕組みを入れ替える必要があります。

    「クラウドのサービスが終わるって聞いたけど、うちのシステムに関係あるのかも分からない…」

    先に結論です。今すぐ慌てる必要はありませんが、「自社システムが使っているかどうか」の確認だけは今年のうちに済ませておきましょう。使っていた場合は、移行の費用と時期を来年度の予算に入れておくのが現実的です。この記事では、ニュースの要点と、発注者が開発会社・保守会社に確認したいことを整理します。

    目次

    Azure Communication Servicesの終了で何が発表されたか

    まず、公式情報で確認できた事実を整理します(執筆時点:2026年9月)。

    📰 出典:Microsoft Azure Updates「Retirement: Azure Communication Services (ACS) standalone services will be retired on September 30, 2028」

    Azure Updates(Azureの変更告知)には2026年9月24日付で、ACSの単体提供のサービスを2028年9月30日に終了し、その日以降は対象のサービスが利用できなくなると掲載されました。詳しい内容は、Microsoft Learnの移行ガイドにまとめられています。

    📰 出典:Microsoft Learn「Retirement and breaking changes guide for Azure Communication Services」

    項目内容(執筆時点:2026年9月)
    終了するものメール送信、SMS、WhatsApp連携、チャット、Rooms(オンライン会議室)、電話番号の提供、画面部品(UIライブラリ)など
    仕様が変わるもの音声・ビデオ通話、通話の自動応答・録音など。2028年10月以降はTeams(マイクロソフトの会議・チャットツール)と組み合わせる使い方のみサポート
    新規契約の停止2026年10月23日から、新しい利用者は終了対象のサービスを使い始められない
    既存の利用者2026年10月23日より前に作った環境は、移行期間中も使い続けられる
    終了日2028年9月30日。以降は利用できず、APIを呼び出してもエラーになる場合がある
    移行期間中の扱いセキュリティと安定性の修正が中心で、新機能の追加は約束されていない

    移行先としては、メールならMicrosoft 365の大量送信機能(High Volume Email)やExchange Online、SMSなどはMicrosoftのマーケットプレイスに掲載されている他社の通信サービスが案内されています。

    ここで発注者が知っておきたいのは、メールの移行先の条件です。ガイドの比較表では、High Volume Emailは執筆時点で社内(同じテナント内)宛ての送信のみ、Exchange Onlineは個人の業務メール向けで大量送信には向かない設計とされています。お客様や取引先に届くメールを送っている場合は、他社のメール配信サービスなどを含めて移行先を選ぶことになりそうです。

    発注者にとって何が変わるか・変わらないか

    ここからは、公式情報をもとにした筆者の見解です。

    変わること:通知メール・SMSの「送り口」の入れ替えが必要になる

    システムから届く「会員登録の確認メール」「パスワード再設定メール」「予約・注文の完了通知」「ワンタイムパスワードのSMS」などは、裏側でメール・SMSの送信サービスを使っていることが多い部分です。ACSを使っていれば、この送り口を別のサービスに付け替える改修が必要になります。

    改修そのものは、システム全体の作り直しではなく「送信部分の差し替え」で済むことが多いと考えられます。ただし、次の作業が付いてくる点は見込んでおきましょう。

    • 移行先サービスの選定と契約(料金体系も変わる)
    • 送信元ドメインの設定(迷惑メール扱いされないための設定のやり直し)
    • 送信テスト、届かなかったときの確認方法の見直し
    • SMSで電話番号を使っている場合は、番号の移転や送信元の再登録

    変わらないこと:2028年9月までは今のまま動く

    既存の環境は移行期間中も使い続けられ、サポートも継続すると案内されています。明日からメールが届かなくなる、という話ではありません。2年という期間があるので、他の改修や保守の予定と合わせて計画的に進められます。

    ACSを使っていなければ直接の影響はない

    AWSやGoogle Cloud、国内のメール配信サービスなどを使っている場合、今回の発表の直接の影響はありません。ただ、「クラウドのサービスは終了することがある」という点はどの事業者でも同じです。今回を機に、自社システムが何のサービスに依存しているかを把握しておくと、次に似た発表があったときに慌てずに済みます。

    今やるべきこと・まだ様子見でいいこと

    今やるべきこと(2026年中)

    1. 使っているかどうかを確認する:開発会社・保守会社に「ACSを使っていますか」と聞くのが一番確実です。Azureの管理画面では、Azure Advisor(利用状況に応じた推奨を表示する機能)でサービス終了の対象リソースを確認できると案内されています。
    2. 何に使っているかを一覧にする:どの画面・どの機能から、誰宛てに(社内/社外)、月にどのくらい送っているか。移行先の選び方と費用がここで決まります。
    3. 新規の開発では採用しない:これから作るシステムで通知機能を検討している場合は、ACS以外の送信手段を前提にしてもらいましょう。10月23日以降は新規利用者の申し込みもできなくなります。

    まだ様子見でいいこと

    • 移行先の最終決定:Microsoftは移行期間中にガイドを更新するとしており、SMSについてはDynamics 365(マイクロソフトの業務アプリ)向けに代替サービスを用意する方針も示されています。急いで決めず、情報を追いながら来年前半に判断しても間に合う見込みです。
    • 通話・ビデオ機能の扱い:終了ではなく「Teamsとの組み合わせに限定」という変更のため、影響の範囲は使い方によって大きく異なります。使っている場合は開発会社と個別に確認しましょう。

    移行費用は誰が負担する?保守契約で確認したいこと

    クラウド事業者の都合によるサービス終了への対応が、今の保守契約の範囲に入るかどうかは契約によって異なります。一般的には、軽微な設定変更は保守の範囲内、送信部分の改修や移行先の選定は別見積もりとなることが多いと言われます。保守費用に何が含まれているかは、システムの保守費用の内訳を解説した記事も参考にしてください。

    契約の解釈に迷う場合は、個別の判断を弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。

    【続編】移行先の候補と、それぞれの特徴はこちら

    発注者がやることチェックリスト

    • ☐ 自社システムがAzure Communication Servicesを使っているかを開発会社・保守会社に確認した
    • ☐ 使っている場合、送信しているメール・SMSの種類、宛先(社内/社外)、月の送信量を一覧にした
    • ☐ 移行の費用が保守の範囲か別見積もりかを確認した
    • ☐ 移行の時期を決め、来年度の予算に入れた
    • ☐ 新しく作るシステムでACSを使わないことを開発会社と共有した
    • ☐ 自社システムが依存している外部サービスの一覧(サービス終了の告知を誰が見るか)を決めた

    開発会社への質問例

    • 「うちのシステムでAzure Communication Servicesを使っている機能はありますか?あれば、どの画面から何を送っていますか?」
    • 「2028年9月の終了までに移行するとしたら、移行先の候補と、それぞれの費用・作業量の目安を教えてください。」
    • 「今回の移行作業は今の保守契約の範囲に入りますか?別見積もりになる場合、どの部分ですか?」
    • 「移行したときに、メールが迷惑メールに入る・届かないといったリスクはありますか?テストはどう進めますか?」
    • 「クラウドのサービス終了や大きな仕様変更の告知は、誰が確認して、どのように報告してもらえますか?」

    まとめ

    • Microsoftは2026年9月24日、Azure Communication Servicesのメール・SMS・チャットなどを2028年9月30日で終了すると発表した(執筆時点:2026年9月)
    • 2026年10月23日から新規の利用開始はできなくなるが、既存の環境は2028年9月まで使い続けられる
    • 社外宛てのメールを送っている場合、Microsoftのメール機能だけでは代替できない可能性があり、移行先の選定が必要
    • 発注者がまずやるのは「使っているかどうか」の確認。使っていれば、費用負担と時期を決めて来年度の予算に入れる

    クラウドのサービス終了は、どの事業者でも起こり得ます。今回の確認を、自社システムが何に支えられているかを把握するきっかけにしてみてください。

    ACSからの移行やメール・SMS送信の仕組みの確認は、株式会社THIRD HEROへお気軽にご相談ください

    「自社のシステムがAzure Communication Servicesを使っているか分からない」「移行先をどう選べばいいか分からない」「費用や作業量の見当をつけたい」。そんなときは、株式会社THIRD HEROへお気軽にご相談ください。

    • メール・SMS送信の利用状況の確認と、宛先・送信量の整理
    • 移行先候補の比較と、概算の費用・作業量のご相談
    • 送信元ドメインの認証設定や切り替えテストを含む、移行作業の進め方

    お問い合わせの時点で、システムの資料や詳しい情報が揃っていなくても問題ありません。分かる範囲でお聞かせいただければ、現状の整理からご一緒します。

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      この記事を書いた人

      株式会社THIRD HERO代表取締役 朝野貴朗
      Webシステム開発を中心に、toC向けサービスサイトの運営、ツール開発などを行ってまいりました。

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