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    古いCMSのサポートが終わっていると言われたら?更新できないときの4つの選択肢と、作り直しを決める前の確認点

    自社サイトの保守を頼んでいる会社から「お使いのCMSはサポートが終了しているので、更新できません」と言われると、「じゃあ全部作り直しですか?費用はいくらですか?」と身構えてしまいます。ただ、サポート終了=いきなり全面リニューアル、とは限りません。

    「サポートが終わった古いバージョンのCMSを使っていると言われた。更新できないなら作り直すしかないのか」

    先に結論をお伝えします。作り直しは4つある選択肢のうちの1つにすぎません。「同じCMSの新しい版へ移す」「別のCMSへ中身を移す」「サイトを軽くして残す」「作り直す」を、サイトの役割・更新頻度・予算で比べて決めるのが順序です。そして、どれを選ぶにしても、決めるまでの間に外から狙われにくくする応急処置を先に頼んでおくことが大切です。

    この記事では、サポートが終わったCMSを使っている発注者向けに、選択肢の違い、判断の順番、開発会社への質問例をまとめます(2026年10月時点)。

    目次

    なぜ「更新できない」と言われるのか

    CMS(=ブログやお知らせなどをWeb上で更新できるようにする仕組み)には、提供元が不具合や弱点を直してくれる期間があります。この期間が終わることを、サポート終了(EOL=End of Life)と呼びます。

    サポートが終わると、新しく弱点が見つかっても、提供元は直してくれません。IPA(情報処理推進機構)は、サポートが終わった製品について、次のように注意を呼びかけています。

    📰 出典:IPA「複数の Microsoft 社製品のサポート終了に伴う注意喚起」

    この注意喚起はOSなどが対象ですが、考え方はCMSにも当てはまります。サポート終了後は新たに見つかった脆弱性(=システムの弱点)が修正されず、悪用されると情報漏えいやサービス停止などの被害につながるおそれがある、というものです。根本的な対策はサポートが続いている製品へ移ることだとされています。

    最近の例では、Movable Typeの脆弱性について、IPAの注意喚起(2026年10月7日掲載)が、サポート終了済みの古いバージョンも影響を受けると触れています。

    📰 出典:IPA「Movable Type の脆弱性に関する注意喚起」

    最新版へ更新すれば直る脆弱性でも、サポートが終わった版には、直したバージョンが用意されないことがあります。これが「更新できない」の正体です。このニュースについては、Movable Typeに緊急度の高い脆弱性、自社サイトは大丈夫?でも解説しています。

    更新できないときの4つの選択肢

    選択肢中身費用・期間の目安向いているサイト
    ① 同じCMSの新しい版へ移す同じ提供元のサポート中の版に上げる。デザインや構成はなるべく維持比較的小さい〜中程度(独自カスタマイズが多いと大きくなる)今の使い勝手を変えたくない、独自の作り込みが少ない
    ② 別のCMSへ中身を移す記事・画像を別のCMS(WordPressなど)へ移し、デザインを再現する中程度。記事数と、移したいデザイン・機能の数で変わる更新は続けたい、運用担当を替えたい
    ③ サイトを軽くして残す更新をやめる部分を静的なページ(=更新画面の無い、できあがったHTMLだけのサイト)にして置く小さい。ただし更新作業は都度、別途頼む形になるほとんど更新しない会社案内・過去のお知らせ
    ④ 作り直すデザインから設計し直し、必要な機能も見直して新しく作る大きい。期間も長め見た目・機能・集客の面でも見直したい

    費用や期間は、記事数・独自機能・会員機能・フォームの数などで大きく変わるため、ここでは目安の書き方にとどめます。必ず自社のサイトで見積もりを取ってください。

    「②と④はどう違うのか」と聞かれることが多いのですが、ポイントはデザインや機能を作り変えるかどうかです。中身(記事)だけを引っ越すのが②、見た目や機能まで見直すのが④です。

    決めるまでの順番

    ステップ1. まず「今、何が動いているか」を確認する

    CMSの名前とバージョン、サーバーの種類、独自に追加した機能、更新している人を一覧にします。これが分からないと、どの選択肢も見積もれません。方法は脆弱性ニュースが出ても自社が該当するか分からない?IT資産台帳の作り方も参考になります。

    ステップ2. サイトの役割と更新頻度を決める

    「問い合わせの入口」なのか、「会社の信用のための名刺代わり」なのか、「毎週更新するお知らせ・採用情報」なのかで、必要な機能が変わります。ここが決まると、③で十分か、④まで必要かが見えてきます。

    ステップ3. 決めるまでの間の応急処置を頼む

    作り直しや移行は、見積もりから公開まで数か月かかることもあります。その間、何もしないのが一番危険です。次のような手当てが取れることがあります。

    • 管理画面を、社内の決まったネットワークからしか開けないようにする
    • 提供元や専門機関が示している回避策(ワークアラウンド)を適用する
    • 使っていない機能やファイルを止める・削除する
    • 画面の手前で不審な通信をはじく仕組み(WAFなど)を入れる
    • バックアップが取れていて、戻せることを確認する

    どれが有効かはCMSやサーバーの構成で変わるため、必ず保守担当に「うちの場合はどれができますか」と聞いてください。応急処置は時間かせぎであって、解決ではありません。

    ステップ4. 2〜3社から見積もりを取り、比べる

    選択肢①〜④のうち、少なくとも2案で見積もりを依頼します。比べるときは「初期費用」だけでなく、公開後の保守費・更新のしやすさ・次のサポート終了がいつかまで見てください。見積もりの読み方は、「バージョンアップが必要」と見積もりが来た!サポート期限(EOL)切れは本当に今やるべき?が参考になります。

    やりがちな失敗

    • 急いで作り直しだけを提案され、他の案を比べないまま契約する:選択肢は4つあります。最低でも2案を見積もってもらいましょう。
    • サポート終了を放置して「今まで何もなかったから大丈夫」と考える:攻撃は、古い製品を自動で探して狙うことがあります。被害がなかったのは、たまたま狙われていなかっただけかもしれません。
    • 移行後の保守が決まっていない:新しいCMSでも、数年後には同じ問題が起きます。更新の担当と費用を、移行時に先に決めておきましょう。
    • 記事や画像の移行範囲を決めない:すべて移すと費用がかさみます。何年分を移し、何を捨てるかを先に決めます。

    発注者がやることチェックリスト

    • ☐ 使っているCMSの名前・バージョン・サポート終了日を確認した
    • ☐ サイトの役割(問い合わせ・信用・採用など)と、更新頻度を書き出した
    • ☐ 決めるまでの応急処置を、保守担当に頼んだ
    • ☐ バックアップが取れていて、戻せることを確認した
    • ☐ 選択肢①〜④のうち2案以上で見積もりを依頼した
    • ☐ 移行後の保守の担当・費用・次のサポート終了時期を確認した
    • ☐ 記事・画像をどこまで移すかを決めた

    開発会社への質問例

    • 「今のCMSはいつサポートが終了しますか。それまでの間にやれる応急処置はありますか」
    • 「同じCMSの新しい版へ移す場合と、別のCMSへ移す場合で、費用・期間・できなくなることはそれぞれどう違いますか」
    • 「独自に追加している機能は、移行先でもそのまま使えますか。作り直しが必要なものはどれですか」
    • 「移行後のサポート期限はいつですか。そのときの更新費用の目安も教えてください」
    • 「作り直さずに、更新しない部分を静的なページにして残す案は成り立ちますか」

    まとめ

    • サポートが終わったCMSは、新しく見つかった弱点が直されないため、そのまま使い続けるとリスクが高まります。
    • 選択肢は「同じCMSの新版」「別のCMSへ移行」「静的化して残す」「作り直し」の4つ。作り直しだけではありません。
    • 決めるまでの間は、管理画面の制限・回避策・バックアップ確認など、応急処置を先に頼みます。
    • 見積もりは2案以上で、公開後の保守費と次のサポート終了時期まで含めて比べます。

    システムの現状を整理して、どの選択肢が合うかを一緒に考えることも可能です。

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      この記事を書いた人

      株式会社THIRD HERO代表取締役 朝野貴朗
      Webシステム開発を中心に、toC向けサービスサイトの運営、ツール開発などを行ってまいりました。

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