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    自社のサイトや業務システムのPHPバージョンが分からない…発注者が自分で確かめる3つの方法と、開発会社に聞く質問

    「うちのホームページや業務システムは、どのバージョンのPHPで動いているのか分からない」。PHPの脆弱性ニュースが出るたびに、こう感じる発注者の方は少なくありません。開発を任せた会社の担当者が替わっていたり、サーバーの契約が別の会社だったりすると、なおさら分かりにくくなります。

    「自社のホームページや業務システムが、どのバージョンのPHPで動いているのか分からない。どこで確かめればいいの?」

    先に結論をお伝えします。PHPのバージョンは、プログラミングができなくても確認できます。 方法は大きく3つで、①WordPressなら管理画面の「サイトヘルス」を見る、②サーバー会社の管理画面(コントロールパネル)で見る、③開発会社・保守会社に聞く、です。確かめたら、「そのバージョンはいつまでサポートされるのか」を公式の表と照らし合わせるところまでが発注者の仕事です。

    この記事では、確かめ方の手順、見つけたバージョンの読み方、開発会社にそのまま聞ける質問例を解説します(情報は2026年10月時点のものです)。

    目次

    なぜPHPのバージョンを知っておく必要があるのか

    PHP(=多くのWebサイトや業務システムの裏側で動いているプログラミング言語)は、WordPress、EC-CUBE、Laravelなど、よく使われる仕組みの土台になっています。この土台には「サポート期限」があり、期限が過ぎたバージョンは、新しい欠陥が見つかっても修正版が出なくなります。

    PHPの公式サイトでは、各バージョンのサポートについて次のように説明されています。

    📰 出典:PHP公式「Supported Versions」

    公式の説明によると、各バージョンは初回リリースから2年間は不具合やセキュリティ上の問題が修正され、その後さらに2年間は重大なセキュリティ上の問題に限って修正されます。4年が過ぎると「サポート終了(EOL)」となり、修正版は出なくなります。

    2026年10月22日時点の公式の表を、発注者向けに整理すると次のとおりです。

    PHPのバージョン初回リリース通常のサポートの終了セキュリティ修正の終了
    8.22022年12月2024年12月2026年12月31日
    8.32023年11月2025年12月2027年12月31日
    8.42024年11月2026年12月31日2028年12月31日
    8.52025年11月2027年12月31日2029年12月31日

    表にない8.1以前のバージョンは、すでにサポートが終了しています。つまり「うちは8.1です」「7.4です」という答えが返ってきたら、修正版が出ない土台の上で動いているということになり、開発会社と更新の計画を相談する必要があります。8.2も、あと約2か月でセキュリティ修正が終わります。

    先日の脆弱性ニュースでも、最新の修正版は8.2以降にしか出ておらず、8.1以前は公式の修正対象外でした。詳しくは次の記事で解説しています。

    PHPのバージョンを自分で確かめる3つの方法

    方法1:WordPressの管理画面「サイトヘルス」で見る(WordPressのサイトの場合)

    ホームページがWordPressで作られていれば、管理画面にログインできる人なら誰でも確認できます。

    1. WordPressの管理画面にログインする
    2. 左のメニューから「ツール」→「サイトヘルス」を開く
    3. 上部の「情報」タブを開き、「サーバー」の項目を開く
    4. 「PHPバージョン」の欄を確認する

    WordPressの公式ドキュメントでも、サイトヘルスはサイトの設定や状態を確認するための画面として紹介されています。

    📰 出典:WordPress.org「サイトヘルス画面」(Site Health Screen)

    管理画面のバージョンによって項目名や並びが少し異なることがあります。見つからないときは、画面のスクリーンショットを開発会社に送って「PHPのバージョンはどこに出ていますか」と聞いても構いません。

    WordPress自体も、動かすために推奨するPHPのバージョンを公開しています。

    📰 出典:WordPress.org「Requirements」

    2026年10月時点で、推奨は「PHP 8.3以上」とされています。古い環境でもPHP 7.4以上なら動くとされていますが、公式は「すでにサポートが終了しており、脆弱性にさらされる可能性がある」と注意しています。

    方法2:サーバー会社の管理画面で見る

    レンタルサーバーやクラウドのサーバーを契約している場合は、サーバー会社の管理画面にPHPのバージョンを設定・表示する項目があることが多くあります。

    • 管理画面(コントロールパネル)で「PHP」「PHPバージョン切り替え」などの項目を探す
    • ドメインやサイトごとに別のバージョンを選べる場合は、調べたいサイトのものを確認する
    • ログインできないときは、契約者(社内の誰か、あるいは制作会社)を探す

    ここで詰まりやすいのが「誰がサーバーの契約者か分からない」「ログイン情報を制作会社しか知らない」というケースです。この場合は、方法3に進み、開発会社や保守会社に聞くのが近道です。

    方法3:開発会社・保守会社に聞く

    最も確実なのは、開発・保守を担当している会社に聞くことです。ただし、「PHPのバージョンを教えてください」だけだと、「どのサイトの、どの環境(本番か検証用か)の話か」が曖昧になりがちです。次のように聞くと、一度のやり取りで済みます。

    > 弊社の「◯◯システム(またはホームページ)」の本番環境で動いているPHPのバージョンと、そのバージョンのサポート終了予定日を教えてください。更新の予定があれば、時期も教えてください。

    見つけたバージョンの読み方:3つの区分で考える

    バージョンが分かったら、次の3つに分けて考えると、次の行動が決まります。

    区分目安発注者の動き
    サポート中で、期限まで余裕がある8.3・8.4・8.5 など定期的に最新の修正版を当てているかを確認する
    サポート中だが期限が近い8.2 など(2026年12月末で終了)更新の計画と費用を、開発会社と早めに相談する
    サポートが終わっている8.1以前更新または作り替えの方針を、期限を切って相談する

    バージョンの数字は「8.4.27」のように3つの数字で示されることがあります。頭の「8.4」が系統(ブランチ)で、サポート期限は系統ごとに決まっています。後ろの数字は修正版の番号で、脆弱性が出るたびに上がっていきます。系統が同じでも、修正版が古いままだと危険な場合があるため、「系統」と「修正版の番号」の両方を聞くのがおすすめです。

    古いバージョンだった場合の考え方

    古いバージョンだからといって、慌てて自分で何かをする必要はありません。更新はプログラムの修正や動作確認を伴うため、開発会社に依頼する作業です。発注者が決めるのは次の3点です。

    • いつまでに更新するか:サポート終了日や、重大な脆弱性が出た時期を目安に決める
    • 誰が費用を負担し、誰が作業するか:保守契約に含まれているかを確認する
    • 更新できない理由があるか:古いPHPでしか動かない部分(古いプラグインや独自プログラム)があると、更新に作り直しが必要になる場合がある

    更新の見積もりが来たときの判断のしかたは、別の記事で整理しています。

    やりがちな失敗

    • 「WordPressを最新にしているから大丈夫」と思い込む:WordPress本体とPHPは別物です。WordPressが最新でも、PHPが古いままのことがあります。
    • 検証用の環境のバージョンを答えてもらう:本番と検証で、バージョンが違うことがあります。
    • 一度確認して終わりにする:PHPのバージョンは毎年サポート期限が近づいていきます。年に1回は見直す習慣を作りましょう。
    • 誰も知らないまま放置する:「担当者が辞めて誰も分からない」状態が最も危険です。台帳(機器やシステムの一覧表)に記録しておきましょう。

    発注者がやること チェックリスト

    • ☐ 自社で使っているWebサイト・業務システムの一覧を作る
    • ☐ それぞれの本番環境のPHPバージョン(系統と修正版の番号)を確認する
    • ☐ サーバーの契約者とログイン情報の管理者を確認する
    • ☐ PHP公式の表で、そのバージョンのサポート終了日を調べる
    • ☐ 終了まで1年を切っているものは、更新の時期と費用を開発会社に相談する
    • ☐ PHPの更新が保守契約に含まれているか、含まれていないかを確認する
    • ☐ 確認した内容と日付を、社内の台帳に記録する

    開発会社への質問例

    そのまま打ち合わせやメールで使える質問です。

    1. 「本番環境のPHPのバージョンは、系統と修正版の番号まで教えていただけますか?」
    2. 「そのバージョンのサポート終了日はいつですか? 終了までに更新が必要でしょうか?」
    3. 「PHPの修正版が出たときの更新は、保守契約に含まれていますか? 含まれない場合の費用の目安を教えてください」
    4. 「PHPを新しい系統に上げる場合、動かなくなる可能性がある部分(プラグインや独自のプログラム)はありますか?」
    5. 「脆弱性のニュースが出たときに、自社のバージョンが対象かどうかを連絡してもらう仕組みはありますか?」

    まとめ

    • PHPのバージョンは、WordPressの「サイトヘルス」、サーバー会社の管理画面、開発会社への質問のいずれかで、プログラミングができなくても確認できます。
    • 見つけたバージョンは、PHP公式の表と照らして「サポート中」「期限が近い」「終了済み」に分けて考えます。
    • 更新は開発会社の作業ですが、「いつまでに」「誰の費用で」を決めるのは発注者です。年に1回の見直しを習慣にしましょう。

    自社のシステムで使われている技術の確認や、更新の進め方に迷ったときは、早めに専門家へ相談してみてください。

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      この記事を書いた人

      株式会社THIRD HERO代表取締役 朝野貴朗
      Webシステム開発を中心に、toC向けサービスサイトの運営、ツール開発などを行ってまいりました。

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