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    サポートが終わった古いパソコンやソフトが社内に残っている…入れ替えの優先順位を決める4つの基準と、開発会社への質問例

    「Windows 10のパソコンがまだ何台もある」「ずっと使っている古い業務ソフトが、メーカーのサポート終了だと言われた」。情シス兼任の担当者なら、一度は頭を抱えたことがあるはずです。全部を一度に入れ替える予算も時間もなく、手がつけられないまま放置されがちです。

    「サポートが終わった古いパソコンやソフトが社内に残っている。どれから入れ替えればいいのか優先順位が分からない」

    先に結論をお伝えします。入れ替えの順番は「ネットにつながっているか」「大事なデータを扱うか」「代わりがきくか」「入れ替えに時間がかかるか」の4つの基準で決められます。全部を一度に直そうとせず、危険度の高いものから順番に、期限を決めて進めるのが現実的です。

    この記事では、サポート切れの機器・ソフトの優先順位の付け方を、そのまま使える判定表・チェックリスト・開発会社への質問例とあわせて解説します。なお、製品名や日付は2026年10月時点の公開情報に基づきます。

    目次

    サポートが切れた機器やソフトを放置すると何が困るのか

    まず「サポート終了」とは何かを一言で言い換えます。メーカーが、不具合や弱点(=脆弱性)を直す更新プログラムを出さなくなることです。動かなくなるわけではありませんが、新しく見つかった弱点が直されないまま使い続けることになります。

    例えばWindows 10は、2025年10月14日(米国時間)に通常のサポートが終了しました。IPAも注意喚起を出しています。その後、個人向けには延長のセキュリティ更新(ESU)が2027年10月12日まで提供されると、マイクロソフトが2026年6月に発表したと報じられています。

    📰 出典:ScanNetSecurity「Windows 10 サポート終了、コンシューマー向けESUを2027年10月12日まで提供」

    ただし、延長の対象や条件は個人向けと法人向けで異なります。自社の端末がどちらに当たるかは、マイクロソフトの公式ページか、購入元・保守担当の会社に確認してください。延長はあくまで「入れ替えまでの猶予」であり、先延ばしの理由にはなりません。

    また、更新プログラムは出ているのに適用されていない状態も同じくらい危険です。IPAは2026年10月14日に、マイクロソフト製品の更新プログラムについて「至急、適用を」と呼びかけています(すでに悪用が確認された弱点を含むと、マイクロソフトが公表)。

    📰 出典:IPA「Microsoft製品のセキュリティ更新プログラムに関する注意喚起」

    入れ替えの優先順位を決める4つの基準

    次の4つの基準で、機器やソフトを1台(1本)ずつ点数化すると、順番が自然に決まります。

    基準1:インターネットやメールにつながっているか

    最も重要な基準です。外部とやり取りする端末(メールやWebを日常的に使うパソコン、外部に公開しているサーバーなど)は、弱点を突かれる機会が多くなります。

    一方、ネットから切り離された検査装置のような機器は、直ちに危険とは言えません。ただし、USBメモリや保守用のパソコン経由で入り込む経路が無いかは確認が必要です。

    基準2:大事なデータを扱っているか

    顧客情報、従業員情報、取引先との契約や請求のデータなどを扱う端末・ソフトは、万一のときの被害が大きくなります。「漏れたら取引先に説明が必要になるか」を目安にしてください。

    基準3:代わりがきくか(止まったときの影響)

    入れ替え作業の途中や、故障したときに業務が止まる場合の影響度です。代わりの端末がすぐ用意できるものは後回しにでき、その機器でしかできない業務があるものは、早めに代替手段を考えておく必要があります。

    基準4:入れ替えにかかる時間と手間

    パソコンの入れ替えは数日で済みますが、古い業務ソフトは、データの移行や新しい環境での動作確認に数か月かかることもあります。時間がかかるものほど、危険度が中程度でも早く着手するのがコツです。

    判定表:どれから手をつけるか

    4つの基準を、次の表のように整理します。点数が高い(「はい」が多い)ものから順に対応します。

    機器・ソフトネットにつながる大事なデータ代わりがない入れ替えに時間優先度の目安
    営業の日常用パソコン(サポート切れ)はいはいいいえいいえ高(早めに入れ替え)
    経理が使う古い会計ソフト一部はいはいはい高(今すぐ計画を立てる)
    外部公開している古いサーバーはい内容による内容によるはい高(最優先で確認)
    倉庫で単独動作する古い端末いいえいいえはい内容による中(代替策を準備)
    ほとんど使わない予備パソコンいいえいいえいいえいいえ低(廃棄・初期化を検討)

    この表は考え方の例です。実際の優先度は、自社の使い方によって変わります。

    順番を決めたら「期限」と「つなぎの対策」を書く

    優先順位を決めても、期限が無いと進みません。それぞれに「いつまでに入れ替えるか」を書き、入れ替えまでの間のつなぎの対策も決めておきます。

    • インターネットから切り離す、またはメール・Web閲覧に使わない
    • 管理者権限での日常利用をやめる
    • バックアップを取り、戻せることを確認する(IPAの中小企業向けガイドライン第4.0版でも「バックアップを取ろう」が取り組みの柱に加わっています)

    📰 出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」

    つなぎの対策は「安全になる」ものではなく、あくまで被害を減らすための応急処置です。期限付きで使うものと考えてください。

    まず機器とソフトの一覧がないと始まらない

    優先順位を決めるには、何がどこにあるのかを把握している必要があります。「誰が何を使っているか分からない」状態なら、まず一覧作りから始めましょう。作り方は関連記事も参考にしてください。

    詳しくは次の記事で解説しています。

    一覧を作ると、サポート切れだけでなく「更新が止まっているもの」「担当者が不明なもの」も見えてきます。

    よくある失敗

    失敗1:「動いているから」と全部を後回しにする

    動いていることと安全であることは別です。ただし、すべてを同時に直す必要もありません。順番を付けて、1つずつ減らしていけば十分です。

    失敗2:パソコンだけ入れ替えて、古い業務ソフトが動かなくなる

    新しいパソコンに替えたら、古い業務ソフトが動かなかった、という相談はよくあります。入れ替えの前に、使っているソフトが新しい環境で動くかを必ず確認してください。

    失敗3:古いソフトの入れ替えを自社だけで抱え込む

    古い業務システムは、作った開発会社や保守担当の会社にしか分からない部分が多くあります。早めに相談したほうが、選択肢(そのまま延命・一部改修・作り直し)を冷静に比べられます。

    サポートが終わった古いCMSの対応については、こちらの記事でも選択肢を整理しています。

    発注者がやることチェックリスト

    • ☐ 社内のパソコン・サーバー・ソフトの一覧を作った(台数・OS・購入時期・担当者)
    • ☐ 一覧の中から、サポートが終了している、または終了時期が決まっているものに印を付けた
    • ☐ 印を付けたものに、4つの基準(ネット接続・データ・代わり・時間)で点数を付けた
    • ☐ 上位のものに、入れ替えの期限と担当者を決めた
    • ☐ 入れ替えまでの「つなぎの対策」(ネットから切り離す、バックアップなど)を決めた
    • ☐ 古い業務ソフトは、新しい環境で動くかを開発会社・メーカーに確認した
    • ☐ 入れ替えの予算を、今期と来期に分けて経営層に相談した
    • ☐ 一覧を半年に1回見直す日を決めた

    開発会社への質問例

    古い業務システムや、開発会社が管理している環境がある場合に、そのまま使える質問です。

    • 「このシステムが動いているOSやソフトのうち、サポートが終了しているもの、終了時期が近いものを一覧にしてもらえますか?」
    • 「サポートが切れた状態で使い続ける場合、想定されるリスクと、被害を減らすための対策を教えてください」
    • 「新しいパソコンやOSに替えた場合、このシステムは動きますか?動作確認は保守契約の範囲ですか、別料金ですか?」
    • 「延命する場合と、作り直す場合で、費用・期間・リスクはどう違いますか?」
    • 「入れ替えを数回に分ける場合、どの順番が安全で、どの時期なら業務への影響が小さいですか?」

    こうした質問に、選択肢と理由を添えて答えてくれる会社は、運用面でも頼りになります。

    まとめ:全部を一度に直さず、危険度で順番を付ける

    サポートが終わった機器やソフトが残っているのは、多くの中小企業で起きている状況です。大切なのは、全部を一度に解決しようとせず、次の流れで進めることです。

    • 機器とソフトの一覧を作る
    • 4つの基準(ネット接続・データ・代わり・時間)で点数を付ける
    • 優先度の高いものから、期限と担当者を決める
    • 入れ替えまでのつなぎの対策を打つ
    • 古い業務システムは、早めに開発会社へ相談する

    個別の機器の扱いは、メーカーや販売元、開発会社に確認しながら進めてください。「どこから手をつけるか」が決まるだけでも、不安はかなり軽くなります。

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      この記事を書いた人

      株式会社THIRD HERO代表取締役 朝野貴朗
      Webシステム開発を中心に、toC向けサービスサイトの運営、ツール開発などを行ってまいりました。

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